恥に働けば角が立つ。

PC-9801が好きな、W・コーギー(牝1匹)と白猫(牡1匹)の飼い主。主婦。今日もささいなコトが気にかかります。掲示板もありますよ → リンク参照

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「SEXFRIEND」の導入

<前記事>

日直の仕事から解放されて戻ってくると、教室にかすかに流れる妙に陽気な口笛。
かなりうまい。
主人公「なにしてんだ?」

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美奈「あ、日直、ごくろーさま」

オレの席の隣の机に腰掛けて、足をぶらぶらさせていた女子が、顔をあげた。
クラスメートの早瀬美奈。
席は隣。去年からの同級生。

成績は満作ほどではないが良くて、学年で三百人中五十番台をキープしている。
何度か宿題を見せてもらった事もある。

オレは黒板に書かれた自分の名前を消して、明日の日直の名前を書く。

主人公「蕪皿でも待ってんの?」
蕪皿月代は早瀬の友人で、囲碁部に属してる長身の変人女だ。

美奈「ま、そんな感じ。マチアワセ」
どこかメンドーくさそうな口調。

主人公「そんなこと言ってさ、実は男でも待ってんじゃないのか?」






x706
美奈「キミも色気づくおトシゴロになって、そーゆー質問をするようになったのかい。先生はうれしいねー」

主人公「誰が先生じゃ。誰が」
早瀬は、に♪ と笑った。

美奈「早く帰った方がいいよ。予報では雨が降るそうだからさ」

x707
玄関から出たところで。額に冷たいモノぽつり。

やば……傘ねえ……。
空は真っ黒。

その瞬間。
雨がどどどどどどどどどどどぉぉ。

主人公「うわぁぁ」

雷で外、真っ白。
どんがらがらがらぐぁん!!

目の前の校庭は、たちまち大きな池。
これじゃ帰れない。

………。

そーだ!!

満作は用心深い奴だから、ロッカーに傘を入れていたハズ!!
友情と言う名の無断借用してしまおう!!

あれ?

暗く人気がない3階の中で、なぜかうちのクラスの教室だけ明るい。

声「だから終わりだって、さっきから言ってるよ?」
声「俺のどこが悪いって言うんだ!!」


オレは思わず足音を忍ばせた。

美奈「別になにも悪くないよ。キミが悪くないと思ってるのなら」
男「そんなんじゃ判らないよ美奈!!」

x708
美奈「だって、判らないんでしょう? それなら、わたしが何を言っても同じだよ」

さっきの冗談。
でも、それは本当の事だったらしい。
単なる冗談だったのに。

悪いと思いながらも、オレは、教室の扉にはりつく。
なんとなく見覚えのある野郎と早瀬が教室に。

男「同じじゃない!! なぁ、何か嫌なコトがあったなら直すよだから、言ってくれよ。言えよ!!」

野郎は、隣のクラスの浅間光彦。
どこかの運動部で、結構人気があるとかないとか聞いたことがある。

早瀬は、自分の机に座って、なんか、メンドーくさ気。

美奈『ま、そんな感じ。マチアワセ』
そう言った時の雰囲気まんま。


別に不思議なことじゃない。早瀬に男がいる事。
ふたりが別れ話をしている事。なにも不思議な事はない筈だ。

でも、オレは、目が離せなかった。

美奈「わたしとしてはね……あんまり言いたくないんだけど……」

浅間「……男だな」
美奈「はぁ?」

浅間「男なんだな!!」
美奈「うーん……どしてそーなるかなぁ」

浅間「誰だ!! 誰なんだよ!!美奈!! そいつは誰なんだ!!」
浅間は早瀬の肩を、ぐ、とつかむ。

美奈「ああ、もう……どーしてこーメンドーかなぁ。いようがいまいがどーでもいいと思うけど」
浅間「俺より格好いい奴がいるって言うのか!! ボール蹴れるか!! 顔がいいのか!! まさか、このクラスの誰かか!?」

美奈「だから、そう言うコトじゃなくてさぁ」
浅間「美奈、言えないのかよ!!」

美奈「だからぁ、これでオシマイ。それでいいじゃん」
浅間「良くねぇよ!!」


やば。

扉をカラダで押してしまった。
イヤな汗が噴き出して来て背中を濡らす。

早瀬がこっち見た。
アイコンタクト。

一瞬だけ困ったと言う顔。
だが、なぜか直ぐに、にへへ♪ 笑い。

浅間「誰だ!!」
早瀬が浅間の顔を正面から見た。

美奈「痛いから放してくれない?」
浅間「え……」

美奈「痛いから放してくれないかな?」
浅間「あ、ああ……」
早瀬は、するり、と浅間の手から逃れると、こっちへ歩いてくる。

進退窮まったオレの前で、鍵が回って扉が開く。
主人公「あ、あのな、お前が悪いんだぞ、別れ話をこんな場所で」

うろたえるオレの耳元、早瀬が、すっ、と近づく気配。
空気が動いて、香る。微かなミントの香り、と甘やかなにおい。

女の子のにおい。早瀬のにおい。
夏なのに汗くさくないかおり。

柔らかくて温かい気配。
少し濡れた首筋でひかる産毛。
動けないオレの耳から、言葉がすべり込んでくる。

美奈「ちょっと協力して」
主人公「お、おう」

うなずいていた。
一瞬、オレの顔をのぞきこんだ早瀬は、にま♪ 

そして、くるり、と振り向くと、オレの肩に腕を回した。
美奈「この人だけど、文句ある?」
浅間は、オレを見て口あんぐり。

浅間「……う…」
美奈「顔はキミよりはいいんじゃない?」
浅間の震える指先がオレに向けられた。
主人公「……はは……」

脇腹にぴったりとくっついた早瀬の体温。
そして柔らかさ。かおり。

浅間「お、お前だって、どうせ、遊ばれるんだ!!
この僕がダメで、お前がいいなんてワケがない!!
畜生ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!」

浅間は、目の前を砂埃をあげて駆け抜け、泣きながら教室を飛び出していった。

美奈「感謝」
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早瀬はオレの肩から手をどけると、あっさり離れた。ちょっと名残おしい。

主人公「いいのかよ……あれで。あいつ、お前のこと、あることないこと言いふらすぞ」
美奈「………」
主人公「あの手の奴は、自分が悪いとは思わないからな。あとあとお前にとっては面倒な事に……」

早瀬はぺろ、と舌を出した。
美奈「ダイジョーブ、そんなドジはしないから」
柔らかく温かい感触が、まだ体に残っている

主人公「それならいいんだけど……」
美奈「後でジュースでもおごるよ」
主人公「感謝されるほどのもんじゃないよ。単なる偶然だしな」

偶然。単なる偶然。別にオレでなくても良かったハズだ。
美奈「でも、ホント助かった。2、3発殴られたりするかなぁ、とか、覚悟してたしね」
そう言うと早瀬は、にま♪ と笑った。

オレは窓際に立って外を見た。早瀬の側にいるとなんだか落ち着かない。
聞きたいコトがあるような気もしたが、何をどう聞いていいか判らない。

主人公「………」
雨が叩く暗い窓に、オレらが水族館の魚のように映っている。
………。

いつものような軽口も思いつかず。
ただぼんやりと窓を観ていた。
暗い窓に映る早瀬を観ていた。

脇腹に残るあたたかさ。
鼻の奥にのこるにおい。

美奈「ふわぁぁ……」
早瀬はアクビをひとつすると、自分の机に腰掛けた。

主人公「帰らないのか?」
美奈「どうせすぐやむし」

主人公「そうなのか?」
美奈「天気予報でそう言ってた…気象予報士の資格でもとったのか、くらい言うと思ったよ」

主人公「……調子が悪い時もあるさ」
きっと、そうだ。

美奈「そっちこそ帰らないの?」
傘を借りて帰るだけのはず。こんないたたまれないのに、なぜか立ち去れない。

主人公「すぐ止むなら待つよ」
雨は降り続ける。
周りには人の気配がない。まるで学校はオレらのモノみたい。

美奈「ふわぁぁ……ヒマだね」
確かにヒマ。

雨は降っている。
でも、話題がない。

早瀬の口笛が、妙に大きく響く。
一年以上クラスメートをやってたのに、オレは早瀬がこんな特技を持っていること知らなかった。
隣にすわっているのに、早瀬がどんな香りをしているかも、知らなかった。

それどころか、女の子だと知っていたけど、判ってはいなかった。
なんにも知らないんだな。
……。

美奈「なんか話してよ」
主人公「え…?」
美奈「なんでもいいよ。いつもみたいにさ」
………。

オレは唾をのみこむと、思いつくままに話を始めた。


主人公と、早瀬ちゃんの奇妙な関係が、ここから始まります。

<つづく>
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  1. 2008/09/22(月) 19:51:53|
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