恥に働けば角が立つ。

PC-9801が好きな、W・コーギー(牝1匹)と白猫(牡1匹)の飼い主。主婦。今日もささいなコトが気にかかります。掲示板もありますよ → リンク参照

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瞳子の受難

「マリア様がみてる」のヒロイン、松平瞳子は「銀杏の中の桜」から登場しました。
瞳子の母親の実家が柏木家で、小笠原祥子の父親の姉の夫の妹が、瞳子の母親です。
ギンナン王子こと柏木優は、瞳子と祥子のそれぞれの従兄弟にあたります。

瞳子と祐巳の出会いは、かなり印象の悪いモノでした。

くすっ。
不意に、祐巳の耳に不可思議な笑い声が届いた。妙な気持ちになったのは、その笑い声にわずかな悪意が混じっているように聞こえたからだ。
くすくす。くすくす。
不快な笑い声は、薔薇の館の二階に響いた。
「瞳子ちゃん」
祥子さまが振り返って、笑い主をとがめる。その時、やっと祐巳は気がついた。こちらに後ろ姿を見せて椅子に座っている人間。それは令さまでもなければ志摩子さんでもない。
「だって、祥子お姉さま。おっかしいのだもの、その方」
ゆっくりと、振り返ったのは気の強そうな眉の少女だった。(つづく)


228
それより目を引くのは、ドリルな髪型では?

(つづき)
(な、何、この子……!?)
祐巳の頭に、カーッと血が上った。だがその主な原因は、挑発するようにこちらに向けられる冷ややかな視線ではなく、むしろ彼女の吐き捨てた言葉の方にである。
(さ、さ、祥子お姉さま、だとー!?)
上級生複数を指して「お姉さま方」と呼ぶならまだしも。先輩を単独で「お姉さま」と呼んでいいのは、ロザリオの授受で正式に姉妹の契りを結んだ妹のみ。すなわち、祥子さまの場合、祐巳以外には許されない行為であって……。(「BGN」)


祐巳ちゃんが怒ったのは、そこの部分なんだ。
ゴメン。祐巳ちゃん何考えているか、良く分からないや。



瞳子は思う所があって、無謀な選挙戦に挑みました。結果は語るまでもありませんが、クラスメイトは瞳子を中傷しました。

ひそひそと囁き合う声というのは、一つ一つは小さいが、集まるととても耳に障る。廊下から聞こえる、昨夜のテレビの話題で盛り上がっている大音量の笑い声の方が、よっぽど気にならないというものだ。
だからといって、真っ正面から悪口を言われるのがいいかと問われれば、それはそれで対処が面倒くさいのでお断りしたい。聞こえないふりをしてやり過ごすことができなければ、受けて立たなければならないわけだから。(「ハートの鍵穴」)


瞳子は訳あって、リリアンの生徒らしく、更にはアッパー志向もありましたので、「夢は薔薇さま」でしたが、幼い頃から慕っている祥子お姉さまには、何だか冴えないタヌキ面の2年生がプチ・スールとして居すわっているし、おまけにそのタヌキ面に注目されたばっかりに、平穏な日々を過ごす権利さえも失ってしまいました。

人当たりの良い祐巳と、勝気な瞳子。
瞳子が祐巳に本音を伝えれば、外野は瞳子を責めます。

そればかりか、クラスメイトからもプチ村八分。
祥子からは、

「まったく、見くびられたものよね」
祥子お姉さまがつぶやいた。
「申し訳ありません」
瞳子は深く謝罪した。
「私じゃないわ。祐巳のことよ」
つぶやく声は、とても冷たかった。
やがて唇の端を上げて、祥子お姉さまは言った。
「それなのに、あなたのことばかり考えている祐巳が哀れになってきたわ」
その言葉の重みに耐えかねて、瞳子は芝生の上に膝をついた。(「ハートの鍵穴」抜粋)


とも言われた始末。

「祥子お姉さま、あのタヌキにつきまとわれて困っているのは私なんです。
私は、リリアン女性徒らしく振舞っていただけなんです。訳あってそうしていたんです。
でも、あのタヌキが、無神経に私の感情を逆撫でするので、本当の事を言ってやったら、あのアホ、平気なツラ下げて私の前に現れるんです。
アイツ、本当の馬鹿なんでしょうか?
382
……それより祥子お姉さま?タヌキはちゃんと鎖に繋いで飼って下さい」

(マリア様、今日は大変な一日でした。できましたら私に、速やかに平穏な日々をお返しください)(「マリア様がみてる」)
平凡な一生徒が、山百合会の一員になってしまった「マリア様がみてる」の1巻。
祐巳がマリア様に祈った事を、彼女自身は忘れてしまったのでしょうか?

読者の中には、瞳子に対して、ブーイングをしている人もいるらしく、でも、瞳子はそれほど悪いことをしていないと、私は思うんだけど。なのに「絶対に祐巳ちゃんの妹にはしないでください」という懇願の多いこと多いこと。じゃ、由乃ならいいのか、って手紙を読みながら突っ込みを入れている私です。(「パラソルをさして」あとがき)

392
「キャラがぶつかるので嫌です」

瞳子が祐巳に意地悪をしているのではなく、祐巳が瞳子に対して意地悪をしていました。しかも無自覚で。

(ばかばかしい)
早く休み時間が終わればいい。瞳子は、本のページを一枚めくった。こんなことで、自分の時間が無駄に過ぎていくなんて、がっかりだ。
これで文章が頭の中に入っていくなら、それなりに有意義な時間の過ごし方とも言えるだろうが、自分の名前が時折カサコソと耳に入ってくる環境で、すべてをシャットアウトして書物に集中できるほどの修行は積んでいなかった。
だから内容が理解できようができまいが、とにかく文字を目で追って最後の一行まできたらページをめくる。そうして「噂話などまったく気にしていません」というポーズをとることで、瞳子はどうにかプライドを保っていた。

(中略)

「ちょっと、それがクラスメイトに対する態度?」
背後から聞こえる大きな声が、瞳子を心の空洞から一年椿組に引き戻した。
「集団でこそこそと陰口をたたいて、あなた方恥ずかしくないの」
自分に対する態度について話題になっているのだとわかった瞬間、瞳子はつい振り返ってしまった。発言者が、乃梨子かと思ったのだ。
でも、違った。乃梨子も、少し離れた自分の席で、目を丸くして騒ぎの中心を眺めていた。
「何、今更いい子になっているのよ。あなただって、先週までは瞳子さんが落選すればいいって言ったくせに」

(中略)

自分をネタにされるのは、むしろ迷惑だった。けんかをしたいのなら、別のテーマを選んでもらえないだろうか。
うんざりして正面に向き直ると、いつの間にか瞳子の席の前に、一人のクラスメイトが立っていた。
「予想外の反響ってのも、困るわよね」
可南子さんは、肩から外れて机にこぼれた一房の長い髪を、そっと戻しながら笑った。ただでさえ身長が高い上に、こちらは座っているものだから、その威圧感はかなりのものである。


リリアン女学園のダイダラボッチ、細川可南子ちゃん。179cm。
511
職業、ストーカー。瞳子を天敵と称しました。

「何がわかるっていうの」
瞳子は尋ねた。訳知り顔がちょっと気に障ったが、後ろでけんかしている人たちに比べると数十倍、いや数百倍もましだった。
「何も。でも、そんな顔をしていたから。こんなことを言い出す人がいるなんて、迷惑って。今、うんざりしていたでしょ」
「よく見ているのね。感心するわ」
ちょっぴり皮肉を込めて言った。他人の顔をいちいち眺めているなんて、ずいぶん暇な人もいたものだ、と。
けれど、可南子さんに皮肉は通じなかった。皮肉とわかっていながら、あえて無視したのかもしれないけれど。
「感心ついでに、いいことを教えてあげる。本を読む時ね、もう少しスピードを速めたりゆっくりしてみたりした方がリアリティがでるわよ」
「え?」
「普通、ゴチャゴチャした漢字で止まったり、難しい言い回しで読み直したりするものでしょ?」
なるほど。と言うことは、可南子さんには「読んでいるふり」はお見通しだったわけだ。彼女はニヤリと笑ってから、自分の席に戻っていった。
「勉強になったわ」
うなずいて、瞳子は開いていた本を閉じた。本当は栞をはさむ必要もないのだが、そうする方がよりリアリティがあると思ったからだ。
授業開始の本鈴が鳴って先生が教室に入ってくるまで、背後の言い争いは続いていた。(「ハートの鍵穴」)


他人に対してシニカルな態度を取っていた瞳子。自分が思っている以上に、自分の中身に対して、他人が興味を持っている事に気が付いた瞳子。どれもこれも瞳子の中身があったからです。現実世界でも「右へ倣え」しか出来ない人間は、やっぱりうわべしか見て貰えないと思います。
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  1. 2007/05/18(金) 18:44:26|
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